「ちょうどいい」を生きる
朝、具だくさんのお味噌汁を作っているときのこと。
冷蔵庫に残っていた野菜をいろいろ入れて、出汁も入れずにコトコト煮ていたら、
それだけでとてもやさしい味になりました。
「出汁を入れなきゃ」そんなふうに思い込んでいたけれど、
実は、もうすでにあるものでじゅうぶんおいしい。
これは以前、南区にある「五風十雨」のあみさんが教えてくれたこと。
これは、ヨガの教えでいう「サントーシャ(知足)」の感覚そのもの。
便利なはずなのに、なぜか忙しい
いま、世の中はどんどん便利になっています。
スマホやAI、時短家電があれば、家事や仕事の効率は確かに上がる。
でもその分、わたしたちの心が軽くなっているかというと、そうでもない気がします。
もっと速く、もっと効率よく、もっとちゃんと。
いつの間にか「もっと、もっと…」という気持ちに追いかけられ、
本来“ゆとりを生み出すはずだったもの”に、
逆に時間や心を奪われてしまうことも。
足りないから、ではなく、すでにあるものに気づく
サントーシャとは、「今あるものに満足する」こと。
「これがないとダメ」「もっとこうなったらいいのに」
そんな“足りない”に目を向ける代わりに、
すでに持っているもの、今ここにある豊かさに目を向けること。
そうすると、不思議と心が落ち着いて、
本当に必要なものってそんなに多くなかったんだ、
という気づきが生まれます。
具だくさんのお味噌汁が、何も足さなくても深い味わいになるように、
わたしたちの内側にも、もともと満ちている力や、やさしさがあるのかも。
ちゃんとじゃなくて、ちょうどいい
ヨガのアーサナの練習も同じです。
「もっと柔らかく」「もっと深く」と外へ向かう意識よりも、
今の自分と呼吸を通じてやさしく向き合う練習が、
本当の意味で心を満たしてくれる。
“これでちょうどいい”という安心感の中にいると、
毎日がもう少しやさしく、楽に感じられる気がします。
足りないものを埋めるためにがんばるのではなく、
すでにあるものに気づいていくことで、
本当の豊かさは広がっていく。
それが、サントーシャの教えが伝えてくれていること。
今ある日常の中に、たくさんの満足と感謝を見つけていけますように。
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